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特別なものとしての認識

ふと思う。
自分のしていることってなんだろうかと。

臨床美術を広く知ってもらいたいと思う反面、変な解釈をされたくないと強く思う。
変な解釈は、自分の行うことが簡単なことだと思われてしまうということ。
私にしかできないことと思ってもらえないということだ。

臨床美術士は国家資格ではない。
今では通信でも4級の資格まで取れてしまう。
私が臨床美術士を目指し始めた頃は、4級まではスクーリングで当然取れたが、3級となると希望すれば誰でも学べるわけでなく、学ぶための資質を面接やスピーチによって判断され、それに落ちると2度と3級は受けさせてもらえないという位に適性を重視された。
そして、受講資格を得てからも修了試験、認定試験と資格を手にするまでは膨大な時間と美術の素養をある程度満たすための美術講座を受け、コミュニケーションやらパフォーマンスといった講座も受けていく。
アートプログラムを考え、実習先で実施しながら実習経験を積む時間もかなりあった。
当然、かかる金額も半端ない。
そうして、3級という資格を得て、臨床美術を行うアート教室を細々と開いている。

最近、本当に受講者が減ってきていて、それはなぜだろうと考えていた。
その中の一つに、”私でもできること”と捉えられるからではないかという考えもあった。
諏訪市では何年も前から臨床美術を高齢者福祉の中に予防として組み込んでいたが、その現場を私の住む町の社協の方が見学に来たことがあった。
その際、午前中の様子を見てから、午後にある施設の現場では自分たちが行えると思ったようで、誰が何をやるとまで配役を決めていたらしい。当然そんなことは許すはずはない。
私は、その日は用事がありその現場には行ってなかったのだが、その見学の様子を聞いてはっきりいって驚いたのだ。
午前中は予防教室のためいわば健常者だ。しかし、午後の施設は認知症も含めあらゆる症状を抱えていらっしゃる方が参加者であり、12人ほどいるのである。
そういう方々にセッションを行う際には臨床美術士は2人などではなく、多い時は5、6人でチームを組み対応に当たる。それでも思うようにいかないことは山ほどある。
それを始めて見学しただけの人が容易くできるものだろか。
いや、できると思えてしまうことはどういうことだろう。
臨床美術士は介護スタッフの様な関わり方をしない。あくまでもアートを通して参加者に寄り添うからだ。
手が動かない、理解できない、そういう方々でも同じ制作をし、作品が作れるようお手伝いをしていくからこそ参加者も普段とは違う時間の体験ができ笑顔を見せるようになるのだ。
その辺の違いをなかなか理解してもらえない。

以前、お寺での講座に参加された方も、「石のアナログ画」をした際に興味を持たれて、家でもしたいからと画材をわざわざ購入し、後日別な方から婦人会でその購入した1セットのみのアクリル絵具を持っていき、その方が指導したという話を聞いて、とても嫌な気分になったことがあった。
そして、この社協の方々の話である。
それだけならまだしも、今回町の生涯学習課主催の子供のリーダー養成の中に、去年依頼を受けて行った石のアナログ画をほぼそのままの内容で誰かが行っているのである。
結局、私のやったことは誰でもできること。
画材とやり方さえあればいいと思われたようだ。

臨床美術は確かに参加者の誰もが制作できるように実に考え抜かれた面白いプログラムばかりである。
手法と画材さえあればできるだろう。
実際に、スクーリングではなく通信でも資格が取れる位なのだから、講師でさえも誰もが可能だろう。
しかし、美術の素養だけでなく人との関わりは、いかにしてそれぞれに寄り添いながら参加者の作りたいという想いを尊重しながら満足いくようなお手伝いをするのが臨床美術である。
カルチャーセンターのようにやり方教えて、”ハイ、おしまい”ではない。
鑑賞会が必ずある
それは、「上手い、下手」とはけして言わないし、参加者の作品の良さを見る目を持ってもらう機会とするものだ。
確かに、臨床美術とうたっていないんだからいいじゃないかと言われるかもしれない。
鑑賞会がなくても、上手いとほめてるし、参加者も満足してるからいいじゃないかと言われるのかもしれない。

でも、やりきれない想いがするのは私が未熟だからだろうか。
あんたじゃなくてもいいと言われてるのとなんら変わらない。
これって本当に誰もができることなのか。

この町に住むのも、ここでアート教室を開くことも全く自信がなくなってきた。



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プロフィール

ゆっけ

Author:ゆっけ
脳が目覚めるアート塾 アート寺ピー処 「てらーと~TERART~」の代表:池田 有希枝です。

日本臨床美術協会認定 脳が目覚めるアート塾講師
臨床美術士3級
諏訪市の臨床美術士集団「SUWART(スワート)」会員

ここは、臨床美術を体験できる寺です。
静かな山寺で過ごすアートな時間。
美術の苦手な方も小さいお子さんから大人まで楽しむことのできる臨床美術独自のアートプログラムで脳も心もいきいきとしてみませんか。

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